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森でトラに遭遇して助かったとしても心のトラに? │ ことわざ

文化

森でトラに遭遇して助かったとしても心のトラに? │ ことわざ

10月 1, 2022
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動物にまつわることわざは、世界にはたくさんあります。今日紹介するネパールのことわざに登場するのはトラです。ちなみにトラはネパール語でバグ/Baghaといいます。

もしも森のなかでトラにばったり出会ったら?!きっと襲われて、一瞬で食べられてしまうにちがいない・・・!!想像しただけで恐ろしいですよね。

それでも、たとえば「トラはお腹いっぱいだった」「とても優しいトラだった」「トラが気づく前にそっと逃げることができた」・・・であれば、たすかる可能性はあります。

ところが、トラが森ではなく「自分の心」のなかにいたら?!これは大変です。心のトラとは、自分の心がつくりだした考えや思い込みです。

ある人が、自分は重い病気にかかったと思い込んでしまいました。病院で検査しても異常なしという診断です。事実その人は病気ではありませんでした。ある日テレビで重い難病の話を観てから、自分がその病気にかかっていると思い込んでしまったのです。

お医者さんがやさしく何度も説明しますが、「自分の人生は、もうおしまいだ」と絶望するばかり。

とうとう呆れたお医者さんが、「自分の心のトラに食べられてしまうよ!しっかり目を覚ましなさい!」と、このことわざで諭しました。


ネパール語のことわざ
「バンコ バグレ カオス ナカオス マンコ バグレ カンチャ」(直訳:森のトラは食べてしまうか食べないか(わからないが)心のトラは食べてしまう)

Banko=森の
Bagha/Baghle=トラ/トラに
Khaos=食べてしまう
Nakhaos=Khaosの否定形
Manko=心の
Bagha/Baghle=トラ/トラに
Kancha=食べる

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