ネパールで秋に祝う、ふたつの大きな祭りといえばダサインとティハール。ダサイン祭りのあと2週間ほどでティハール祭りとつづきます。
祭りの儀式に欠かせないひとつに果物があります。とくにティハール祭りでたいせつなものはボグテ/Bhogate。ボグテはザボン(文旦)、英語ではPomeloにちかい大ぶりの柑橘です。
秋の祭りの季節が一段落したら家族皆でボグテを食べる、ちょっとしたイベントのような楽しみがあります。
それは決まって、お天気のいい休みの日。「今日はボグテを食べよう」となれば、たくさんのボグテを持って皆が屋上に集まります。大きなタライを囲んで座り、どんどん皮をむいて果肉を入れていきます。
むいたボグテにヨーグルトとスパイスを加えてアレンジするのがカトマンドゥ流の食べ方。スパイスはチリのほかにブラックペッパーやターメリック、フェヌグリークなど。砂糖と少しの塩、すりおろしたゴマを入れたりします。全部すっかり混ぜてから、熱した少々の油をザっとまわしかけることも。
アレンジは好みや家庭によってもそれぞれで、ボグテと一緒にほかの果物を混ぜることもあります。おいしく混ざったら、皆で取り分けて食べます。
あたたかい陽射しを浴びて、ボグテをむいておしゃべりして食べながらのんびり過ごす・・・。祭りが終わって「おつかれさま」という打ち上げのような、毎年恒例の家族の楽しみです。